一年の終わりに

 全国高校駅伝がスタートしたらいよいよ年の瀬。マラソンで始まりマラソンで終わる一年の最終レースです。

 今年も色々なことがありました。何といってもこの不況の中で、無事年を越せるのが何よりなことです。

 いつもながら、作家さんの力ある作品が揃ったことが大きいと感謝しています。今年は新参加の 人形の持丸さんと山下玉枝さん、染めの仁平幸春さんに新たな力をいただきました。

 いいものを見る眼が厳しい、たきぐちのお客さんに満足していただけたと思います。シンプルライフの今、お役に立つ店であり続けたいと切に願っています。

 29日から1月10日まで冬休みいたします.良き年をお迎えください。

2010年12月28日

ホワイトクリスマス

 今日、福岡にしては珍しい粉雪が降りました。サラサラの雪です。よほど温度が低くないとこうはなりません。顔を上に向けて、雪を受けながら店に向かいました。雪は好きです。見渡す限り銀世界の日が少ないのが残念。

 朝のテレビであちこちの電飾のクリスマスツリーを沢山見せていただきながら、日本は本当に平和な国だと感心しています。そして、この平和が続くことを願っています。

 今年もあと残すところ三日、何のアクシデントもなく、年の瀬を迎えられたことにただ感謝です。

2010年12月25日

ライバル

 今年最後の展示会が無事終了しました。

 国を挙げて地デジ、薄型とテレビが大売れした今年、エコポイント制度の追い風もあって、家電業界は活況だったようです。「家電が売れる時は、器は売れない」という説があります。

 随分昔の話ですが、カラーテレビが登場したころ、多くの輪島塗の職人さんが家電業界に転職されたことを思い出します。

 そんな訳で、今年は薄氷を踏む思いの一年でしたが、やはりテレビは強力なライバルだったようです。来年は少し落ち着いて、皆さんの気持ちが器に向かうことを願っています。

 私自身はといえば、特にテレビを買い替えたいとも思っていなかったのですが、誕生祝に思いがけず薄型の大きなテレビが届きました。これも地デジ移行の大合唱の御蔭と、ありがたく日々気分良く見ています、禍福はあざなえる縄の如しですね。

2010年12月20日

思い出の品々—萩焼

吉賀大眉窯

 このお皿は萩の吉賀大眉窯の銘々皿です。→ホームページ
 まだ陶磁器を扱う前、やっとの思いで車の免許を取りコロナマーク2に乗って家族4人で萩に行った時に購入したものです。40年ほど前の話です。

 吉賀大眉さんの窯には当時皇太子ご成婚の祝に献上された作品が飾られており、萩らしくない釉薬が気に入り、やっとの思いで五枚だけ買い求めました。以来大事に使い続けています。

 コロナも免許証も当の昔に手放しました。子供たちも成長した今、私のそばに、お皿だけがとどまっています。 

2010年12月17日

思い出の品々—砂糖入れ

深川製陶 砂糖壷

 もう50年以上使い続けています。

 有田の深川製陶。結婚のお祝いに頂いたものです。セットのカップ、ソーサー,ケーキ皿はなくなってしまいましたが、この砂糖入れだけは今も現役。新婚の時から今日まで、ずっと私を見てくれています。有田にしてはめずらしいピンク。大きさも、作りもよくて、使い勝手も最高です。

 木製のりんご箱に紙を貼っただけの食器棚の頃から、今では滝口さんの器、カガミクリスタル、輪島塗と贅沢な食器と一緒に並べても、一歩も引けをとらない存在感です。55年飲み続けているネスカフェの横にまだまだ鎮座することでしょう。 

2010年12月14日

クリスマスの絵

 たきぐちでは、もうかれこれ10年ほど、毎年この時季に日賀野さんにクリスマスの絵を発表していただいてます。

 日賀野さんの絵には、メルヘンがありクリスマスの絵には最適です。

 10年前は4歳だったお子様も今年は14歳。毎年クリスマスの時には、ツリーのそばに飾ってよろこんでいただいてます。

 日本はお正月、雛まつり、クリスマスといろいろ行事があり、その度にふさわしい飾りをして楽しむ贅沢な国民と思います。

 自家用のクリスマスの飾りとして又、お孫さんへのプレゼント用に、長い年月の鑑賞に値する贈り物だと思います。

2010年12月13日

 

獅子奮迅

 西日本新聞に連載されていた、大野二三四さんの聞き書きが今日の第88回で終わりました。

 期待通りの山形さんの見事な聞き書きで、一日も欠かさずに読ませていただきました。獅子奮迅の活躍が余すことなく伝わる素晴らしい連載でした。山形さん、ありがとうございます。

 88歳の大野さんは、周りの方からは「宇宙人」と呼ばれるほど、まだまだお元気なご様子ですから、これから何をなさるのか、とても楽しみです。

 どんよりしている今の時代。男性、女性を問わず大野さんの闘争の人生に巻き込んでくださることを願っています。 

2010年12月6日

師 走

 買い物の 好きな女に師走来る  星野立子

 

 酷暑続きの夏が長かったせいで秋はあっというまに過ぎ、地球は周り師走は間違いなくやってきました。 店主日記でヴェランダ園芸の失敗を書いていましたので、これなら大丈夫という、金のなる木をいただき鉢に植えました。接木なのですが、根がでて少し成長して来ています。金のなる木にまで見放されては悲しいというより不安になるところでしたが大丈夫でした。

 6日からの展示会の前に心強く、買い物好きなお客様の来店が多いことを願っています。

2010年12月3日

 

好事家(こうずか)

 江戸時代の特徴の一つに好事家の出現があるそうです。

 一文にもならず、世に認められることも無い、無駄なことに情熱を燃やす、いってみれば、もの好きな人。知的好奇心が異常に旺盛な人といってもいいかもしれません。

 これは、同時代の他国には見られない現象だそうです。平和な江戸時代だったからこそのことで、それらの人が積み重ねてきたものが、明治維新後の日本の発展を後押ししたのそうです。

 今の時代の好事家である私も、何かの形で、後の世のお役に立てないだろうかと思っています。

 先日の福岡市長選の結果を見て、もし私に埋蔵金があれば、若き政治家を育ててみたいなどと夢のようなことを考えてしまいました。

 福岡には、毎年何千人もの卒業生を送り出す修猷館、福高、筑紫丘といったそうそうたる伝統校があります。卒業生の中に、人物はいないのでしょうか?

2010年12月1日

開店休業

 展示会中でも開店休業のような日があります。

 今日もそんな日でした。もっとも、通常水曜日は定休日なので、それを覚えていただいているのだと前向きに考えています。100円ショップでないので一人のお客様の来店でも一万円お買い上げでしたら100人の来客があったと思えばいいので気を楽にして店番しています。

 そんな日は好きな読書がはかどりますが(太平記と二ノ宮金次郎の一生を読書中)、読みながら、色々今後のことを考えて、思いついたことをメモしています。 

 12月の展示会のこと、来年2月の展示会のことなど、色々浮かんだアイデアをメモしました。

2010年11月24日

龍 宮 城

 昨夜、「韓国伝統芸術の夕べ」に招待を受けて、アクロスシンフォニーホールに行きました。 伝統の舞、胡弓、伽耶琴、扇子舞を堪能させていただきました。駐福岡大韓民国総領館主催、アシアナ航空日本就航20周年記念の公演とあって超一流の方々ばかりでした。

  ドラマの一部で宮廷の舞踊を見たことはあっても、今回は目の前でみごとな衣裳、美人揃いの舞踊団の踊りと、普段は決して見ることのない、伝統芸術に夢心地。まるで龍宮城に行ったようなひと時を過すことができました。

 そして、気がつけば76歳の誕生日。これも玉手箱のいたずらでしょうか。

2010年11月20日

 

プロの仕事

 15日から滝口和男さんの作品展をしています。

 展示している作品を見てこれぞプロの仕事と感心しているところです。

 たきぐちでは素人の仕事(作品)は販売しないことを貫いていますが、滝口さんはプロ中のプロと思います。何一つ手抜きがない。

 アイデア、名前が有名とかで売られるものが多くありますが、本物です。出会いから30年同じものは無い、驚くべきことです。

 時代に合った作品、作品を見ながら今世の中の人が求めているのはこれだと気付かされています。本物が判り、買う人が少なくなり、数も少なくていい今の時代、

 今回の展示品は一客単位のコーヒーカップが中心です。それもほんの少し。

2010年11月18日

仕事に深入り

「仕事には深入りせよ。」

 誰の言葉だったか思い出せませんが、考えてみれば、器を扱う仕事を飽きもせず四十年も続けているわけですから、私もしっかり「深入り」したようです。

 新しい何かに出会うたびに、「これはなんとしても紹介したい」と思い続けてのことです。

 今日、有田の高森さんより呉須赤絵の鉢が届きました。前々より五島美術館所蔵の五彩玉取獅子文鉢(呉須赤絵)を今の時代に再現できたらどんなにか良いだろうと思っていました。高森さんにお願いしてみましたところ、想像以上に上出来の鉢が届き、喜んでいます。作り手はどの時代にも存在するのだと思いました。平成の呉須赤絵を何としても次世代に残したいと思います。

 呉須赤絵を中心とした高森さんの作品展は、来年の2月の開催予定です。

2010年11月9日

 

江戸紫  エドムラサキ

 好きな色です。

 建設が進んでいる新タワー「東京スカイツリー(634)」の照明が江戸紫と蒔絵の金とのこと。新しく届いた大型のテレビで映し出されたタワーを見て幸せな時間を過ごしました。

 36歳の照明作家が、江戸紫と蒔絵の金を選んだとは嬉しい限りです。

 今、お店に展示している古布の笹飾り、仁平さんの染め額、たきぐちの器にも紫と金が使われています。日本人なら誰でも好きな色ではないでしょうか?

 若い照明作家がそれを使い、沢山の候補の中からそれを選んだ人がいる。新潮社から出ている小説「634 ムサシ」片岡弘著を読めばもっと色々のことがわかるかもしれないと思い、注文してみました。

2010年11月6日

文化の日に寄せて

 趣味の器を楽しもう。

 世の中、内ご飯の回数が多くなってきてるようですが、昔ほどには、器に凝り楽しむ人は少ないようで、残念です。

 男性の料理教室が盛会らしいので少し期待しています。昔のように、自宅にお客様をお呼びしてご馳走をすることがなくなり、外食が気軽に美味しい料理を提供してくれるせいもあるのでしょう。

 本当は、上等の器に手料理を盛り、壁面の好みの絵など鑑賞しながら、しみじみとした時を、定年退職後の人々に過ごして欲しいと思っています。

2010年11月3日

 

はやばやと

 暑い秋が終わると、つい先日までの猛暑が嘘のように急に寒くなりました。

 冷え込みに触発された訳ではありませんが、たきぐちでは季節の先取りで、クリスマスの絵と古布のお正月飾りを並べました。

 大盛況の仁平さんの展示会が終わり、11月15日から滝口さんの展示会が始まりますが、それまでの間、少し店内が寂しくなっていることもあって、例年は12月に飾っていた年末年始に使っていただきたい作品を展示してみました。デパートではおせちの予約も始まっていますので、たきぐちでもそれにならって早々と並べてみました。

 お時間がございましたら、お運び下さい。

2010年10月26日

こりもせず

 展示会も大盛況のうち無事に終わり、久々に休みました。

 ベランダの園芸は失敗続きで、あきらめてプランターをベランダの隅にかたずけていたのですが、もう一度挑戦することに。チューリップの球根を30個植えました。四月ころには咲く予定ですが、今度こそ立派に育って欲しいと思っています。

 ソフトバンクホークスは、今年こそは優勝と思っていたのですが、残念ながら駄目でした。ファンは懲りもせず、来年も今年以上に熱を込めて応援することでしょう。11月20日にリーグ優勝のパレードがあるそうで、その時のためのカンパが始まりました。

 なんといっても、ホークスの活躍は福岡の街を元気にしてくれます。気持ち、カンパします。 

2010年10月22日

 

思い出の品々—焼き印

 この焼印は、250年も続いたお菓子屋さんが廃業された時に記念にいただいたものです。

 鉄製の焼印。寿と菊と落雁を作る木型、長年使い込まれた道具には歴史の香りがします。

 使うことはないと思いますが、ただ眺めて250年の日々のことを想像するだけでも楽しいものです。そのお宅は江戸時代に親孝行で藩からご褒美をもらわれたそうで、古文書に記録されている御先祖もあるとのこと。素晴らしいお店が、跡継ぎが無くことの多いこのごろ。

 懐かしい一子相伝のおこしが手に入らなくなり本当に残念です。

2010年10月18日

至福の時

 仁平さんの作品展が無事に終わりました。

 5月に電光石火の対応で、作品を送っていただくことが決まった上に早々に素晴らしい作品を送っていただきました。

 仁平さんの世界をお客様ともども楽しませていただいた10日間でした。

 昔は仕入れのために、夜行バスや飛行機で輪島、盛岡、東京、京都へ行ったものです。インターネットのお蔭で今回の展示会の運びとなりました。

 世の中の進歩に驚くばかりですが、仁平さんご本人にまだお会いしてないのが心残りです。いつか東京の工房にお邪魔したいと思っています。

 いい作家、いい作品との出会いに感謝です。 

2010年10月18日

 

宮尾登美子先生が「親鸞賞」を受賞されました。

 作家の宮尾登美子先生が、第6回「親鸞賞」を受賞されました。受賞作品は「錦」(中央公論新社)。

 宮尾先生、おめでとうございます。

 受賞の記念に、(読者としての)長いお付き合いの中で、時々に頂いた、私の宝物をほんの少し紹介させていただきます。

2010年10月13日

 

大学駅伝シーズン到来

 いよいよ今年も大学駅伝のシーズンが到来。「学生3大駅伝」の開幕戦となる出雲駅伝が体育の日の11日に開催されました。お店が終わって、帰宅後に録画で見ました。

 今年は古豪、早稲田の復活に注目が集まっていましたが、前評判通り早稲田が14年ぶり2度目の優勝を飾りました。瀬古、渡辺など、数多くの名選手を輩出した早稲田でも、優勝は難しいのですね。

 秋冷というには程遠い暑さの中、稲田の多い出雲の風景も充分に堪能しました。次は熱田神宮出発の全国大学駅伝、楽しみ多い日々の到来です。

2010年10月12日

 

秋 本番

 やっとクーラー無しで過ごせるようになり、電気代も先月の半分。

 新しい企画展の準備と初日を迎えるに当たり、落ち着かない日々を過ごしていました。

 7日から始まった展示会では、仁平さんの作品に囲まれ、来店のお客様に喜んでいただき幸せな時間を過ごしています。

 只、残念なことは着物と帯を展示できなかったこと。仁平さんから届いた作品は素晴らしいものだったのですが、取扱い不慣れのもの〈着物〉ではとても無理と思い知らされ断念しました。

 着物と帯を専門のお店で見せていただける日を待つことにします。

2010年10月10日

神 無 月

 神無月(かんなづき)は10月の異称。八百万の神が出雲大社に集まって一年のことをいろいろと相談するため、出雲以外では神さまが留守になるという意味だそうです。ここ福岡の氏神さまも、しばらくはお留守。留守の間、何事も無いことを願います。

 それにしても、出雲神話の面白いこと。その土地に長く伝わり、学説等を気にせず祭られ、伝えられてきたことの凄さ。天孫降臨の日向、大和と並んで三大神話の一つです。

 各地にある神社の祭りにはそれぞれ意味があり、その土地の人が守り伝えて今日があります。昔なら日々の暮らしに追われ、風土記など知りたいと思うこともなく過ごしていたのに、幸いにも健康と時間に恵まれた今、古代の日本の話に付き合えるようになりました。伝説はこうして人から人へ伝えられてきたのだと思います。

2010年10月1日

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